羽田空港の滑走路を徹底解説
日本の玄関口・羽田空港(東京国際空港)には、4本の滑走路があり、それぞれが異なる方向や用途で運用されています。風向きや時間帯、発着便の種類に応じて、これらの滑走路を使い分けることで、1日あたり約1,200便もの離着陸を効率的にさばいています。
ここでは、A〜Dの4本の滑走路について、それぞれの特徴や運用方法をわかりやすく紹介します。
A滑走路(16R/34L)
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方向:南北方向(北向き「34L」/南向き「16R」)
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長さ:約3,000メートル
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主な用途:国内線中心の発着に利用
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位置:第1ターミナルのすぐそば
A滑走路は羽田空港の中でも最も歴史があり、国内線の主要便が多く利用しています。展望デッキからも見やすく、離陸・着陸機を間近で観察できる人気スポットです。南風時には「34L」から北へ、北風時には「16R」から南へ向かって離陸・着陸する姿が見られます。
B滑走路(04/22)
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方向:東西方向
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長さ:約2,500メートル
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主な用途:風向きや混雑時の補助滑走路
B滑走路は、東京湾の西側に位置し、滑走路が海へ突き出すように設置されています。主に南風時に使用され、他の滑走路が混雑している際のサブ的な役割を果たします。
短めの滑走路ですが、羽田の運用バランスを取るうえで欠かせない存在です。
C滑走路(16L/34R)
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方向:南北方向(北向き「34R」/南向き「16L」)
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長さ:約3,360メートル(羽田で最長)
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主な用途:国際線・長距離便中心
C滑走路は、国際線の大型機(ボーイング777、エアバスA350など)が主に使用しています。長距離フライトのための長い滑走路が確保されており、着陸時の迫力は圧巻です。
第3ターミナル側からも眺めやすく、夜の離陸シーンでは滑走灯が美しく輝きます。
D滑走路(05/23)
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方向:海上に斜め方向(北東~南西)
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長さ:約2,500メートル
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主な用途:国際線・風向きによる補助運用
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特徴:東京湾の埋立地上に建設された海上滑走路
D滑走路は、2010年に供用開始された最新の滑走路で、東京湾に浮かぶように設計されています。
海上にあるため騒音を抑えつつ、風向きに応じて柔軟に離着陸できる構造になっています。南風運用時は離陸機、北風運用時は着陸機として多く利用されます。
海越しの離陸シーンは写真家にも人気の被写体です。
滑走路の使い分け(風向きと運用)
羽田空港では、安全性と効率を最優先に、風向きによって滑走路の使い方を変えています。
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南風運用:浦安沖から着陸し、木更津沖へ離陸
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北風運用:木更津沖から着陸し、浦安沖へ離陸
これにより、住宅地上空を避け、騒音をできるだけ少なくするよう設計されています。
また、気象条件や航空交通量に応じて、滑走路の組み合わせ(例:A+C滑走路運用、B+D滑走路運用)も柔軟に切り替えられます。
展望デッキからのおすすめ観察ポイント
羽田空港には第1・第2・第3ターミナルそれぞれに展望デッキがあります。
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第1ターミナル:A滑走路を一望。JAL機の発着が中心。
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第2ターミナル:C滑走路側。ANA機がメイン。
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第3ターミナル:国際線とD滑走路を望め、夜景が特に美しい。
時間帯によって離着陸方向が変わるため、訪れるたびに違った景色が楽しめます。特に夕暮れ時のC滑走路離陸シーンはおすすめです。
まとめ
羽田空港の4本の滑走路は、それぞれが役割を分担しながら、膨大な発着を安全かつ効率的に支えています。
A滑走路の歴史、B滑走路の柔軟性、C滑走路のスケール、そしてD滑走路の最新技術。
それぞれを理解すれば、展望デッキやYouTubeのライブ映像でも、どの滑走路でどんな飛行機が動いているのかが見分けられるようになります。
次に羽田空港を訪れる際は、ぜひ「どの滑走路から飛んでいるのか」に注目してみてください。
きっと、空港を見る目が一段と深まるはずです。